パリジャンの日常ではあまり出向かない宝飾店が軒並みを並べるヴァンドーム広場に、イタリアの自動車製造会社・フィアットの小型車、フィアット500の白いオブジェが展示されている。日本ではアニメのルパン三世の愛用車として知名度が高い500は、イタリアでは国民的乗用車だ。
そんなレディ・メイドなオブジェを打ち出したのは、イタリアの注目デザイナー、ファビオ・ノヴェンブレ。エオロジーの観念をスポンサーとなるフィアット社と分かち、白いオープントップモデルのフィアット500のルーフには約2mの高さを持つ木が植えられている。CO2軽減と緑化を目指したミラノ市の推進の下、ノヴェンブレが編み出したこのエコロジー・オブジェは、作夏、同市で開催された展覧会の際にモンテナポレオーネ通りで発表され、芸術性のみに留まらず、都市と環境への投げかけとして脚光を浴びた。
パリでは3月のアートサロン、ArtParis+Guestsにてお披露目されたこのインスタレーションは、2005年から現代アートを通してエイズ啓発運動を広げるNPO『デシヌ・レスポワール』の活動の一環なのだ。『希望の木』と題したこの展示は、今月29日まで催され、ノヴェンブレの12台のフィアット500はデシヌ・レスポワールの収益としてクリスティーズによって競売にかけられている。ちなみに開始値は一台1万2千ユーロとのこと。
場所柄、ターゲットが絞られた試みと見られるが、アートオークション業界の不況の中、競売のいきさつが気になる方には、希望の木のサイトで動向がうかがえる。
希望の木 Un arbre pour l’espoir
会期 : 2010年6月3日〜29日
会場 : Place Vendôme 75001 Paris
www.unarbrepourlespoir.org












