モンマルトルの丘やエッフェル塔の頂上など、パリの風景が一望できる眺めのいい観光名所が、パリにはいくつかある。でも意外と知られていないのが、デパートの屋上だ。プランタンの屋上にはビュッフェ形式のレストランがあるが、最近そのお隣にあるギャラリー・ラファイエットにも、最上階に夏限定のレストラン「ラ・テラス 」がお目見えした。
抜群の眺めの良さはもちろんだが、興味を抱いたもうひとつの理由が、日本人女性の狐野扶実子さんがレシピを監修しているということだった。
狐野さんは、パリの製菓学校「ル・コルドン・ブルー」を主席で卒業し、3つ星レストラン「アルページュ」へ。3年という短期間でスー・シェフに就任している。その後、出張料理人となり、高級食材店「フォション」のエグゼクティブ・シェフも務めた。現在、狐野さんは、日本やフランスを行き来しながら、レストランのコンサルタントとして活躍していて、アラン・デュカス氏が一般向けに開いている料理教室「エコール・キュイジーヌ・アラン・デュカス」で昨年から講師も務めている。また同じく昨年発売したレシピ本「キュイジーヌ・ドゥ・フミコCuisine de Fumiko」は、「ワールドクックブック・アワード」など3つの賞を受賞。評判は高まるばかりだ。
「ラ・テラス」のために狐野さんが考えたコンセプトは、 “シックなピクニック”。メニューは、ポン酢とシソの風味で食べるさまざまな種類のトマト、スモークしたミルクのカプチーノ風スープ、仔牛のミートボールのショウガとショウユ風味、若ネギとシソを添えたアンコウのシトロネル風味、ライムとショウガ風味のフルーツ・サラダなど。ポン酢やシソ、ショウガといった日本の食材が、夏のテラスで味わうにふさわしい、さわやかな風味を料理に加えている。
以前、「エコール・キュイジーヌ・アラン・デュカス」で狐野さんの授業を拝見したことがあるが、「単にレシピをわたして教えるのではなく、切り方や調理の仕方で素材の風味が変わることを、伝えたいんです」と話されていた。たとえば、「ラ・テラス」で出されるトマトの一品は、トマトの種類によって切り方を変えているのだそう。客の目にはけっして気づかないこともしれないけれど、こうした細かい気づかいの積み重ねが、料理をおいしくする。素材を生かして、ときには潔いほどシンプルに、でも心づかいにあふれた狐野さんの料理に、多くのファンが引きつけられているのだと思う。
La Terrasse
Galeries Lafayette Paris Haussmann
月-土 12:00~18:00
※秋の初めまで営業











