世界のほとんどの国で消費されていると思われる飲み物のひとつが、牛乳だろう。牛乳を原料にした飲料や、チーズやバターなど乳製品を含めたら、世界での牛乳の消費量はものすごい数字だ。
いまパリ3区のギャラリーで、「世界のミルク文化」と題した展覧会が開かれている。3組の写真家が撮影した、牛乳とともに生きる人々や日常をとらえた写真とビデオを紹介している。
登場する国は、イラン、インド、チュニジア、中国、アルゼンチン、トルコ、モンゴル、中央アジアのウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタンといったあまり知られていない国まで。酪農農家、伝統的なチーズやクリームをつくる人、工場で牛乳のパッケージングに携わる人々など、牛だけでなく、山羊などの乳から生まれるさまざまな乳製品、それにまつわる人々が写されている。
アジア大陸でモンゴルの塩入りミルクや馬乳酒、ストローで飲む上海のヨーグルトを体験して、インドに下って伝統的なチャイを飲んだら、南米アルゼンチンのドゥルセ・デ・レチェ(ミルクジャム)のデザートを味わう。そしてヨーロッパに戻って、イタリアやフランスが誇る無数のチーズやバターに舌鼓-。この展覧会を見ていたら、“ミルク街道”の旅への想像もふくらんできた。
展覧会の主催者は、アートやデザインを通して、乳製品の普及や理解を深めることを目的とした「ミルク・ファクトリー」。ギャラリーは、真っ白な壁と太い木の柱が立つだけの空間で、素朴なミルクや乳製品、活気あふれる鮮やかな街並みのイメージを浮かび上がらせる。写真やビデオのほか、ミルクや乳製品に関する資料や書籍もそろっている。大々的な展覧会ではないのだが、ちょっと大げさに表現すれば、身近な存在のミルクや乳製品をとおして、世界への扉が開いてくる、そんな展覧会だ。
世界のミルク文化『Cultures des laits du monde』
http://www.lamilkfactory.com/
2010年6月26日まで
Galerie Deborah Zafman
3-5 passage des Gravilliers, 75003 Paris( 10 rue Chaponより入る)
地下鉄 Arts et Métiers
火曜-土曜 13 :00~19:00











