エクリチュールと国民議会

Filed under: アート,パリ @ 2010年7月11日

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photo/ La Boutique de l'Assemblée Nationale

日本に帰る前、お土産探しに立ち寄るお店のひとつが、フランス国民議会のショップ。そう、国民議会には、オリジナル雑貨を販売するショップが併設されているのだ。 販売されているのは、文房具から食器、アクセサリー、トランプなどのゲーム、衣類まで。国旗に使われている赤、白、青のトリコロール(3色)や国会議事堂のシルエット、エッフェル塔などをあしらったグッズは、いかにもフランスらしい。

このショップに、6月半ばから新商品として登場したのが、画家・陶芸家のValérie Raymond-Stempowskaヴァレリー・レイモン=ステンポヴスカさんの作品。彼女のテーマは、エクリチュール、つまり文字。小説や詩の世界からインスピレーションを受けたテキストを、陶器やキャンバス、テキスタイルに刻んでいる。流れるように、リズミカルな文字は、実際に存在するテキストでありながら、とても秘密めいたメッセージに見えてくる。私たちの深層に入り込み、何かを問いかけてくるように。

フランス国民議会の要請によって制作した作品は、花瓶と皿、カップ、そしてスカーフ。1789年の人権宣言、1958年に成立した憲法、そして1948年に公布された世界人権宣言のテキストの抜粋が、モチーフになっている。国民議会によると、ヴァレリーとのコラボレーションは、法律案を執筆し、制定し、見直し、修正する役割をもつ、法律の « 作家 »である国民議会、そして議員を称える、ひとつの表現なのだそうだ。政治や法律の話を始めると複雑になってしまうけれど、国のこうした機関が、アーティストとコラボレーションをする機会をつくることは、単純に悪いことではないと思う。

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国民議会のブティック

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photo/ La Boutique de l'Assemblée Nationale

ヴァレリーとは、「とても素敵な人がいる」という友人の紹介で知り合った。自宅兼アトリエは、かつては家具職人の地区として知られ、現在もたくさんのアーティストが住んでいる11区にある。骨董の和家具、小石の形のクッション、スケッチ帳、カタログ、絵の具……さまざまなものに囲まれ、やさしい陽光が差し込むこの部屋で、ろくろを回し、キャンバスに向かっている。インパクトのある赤い絵画が数枚並んでいたが、これは中国の旅から戻ってから描き始めたシリーズだそう。お土産に、エビが丸ごと真ん中に挟まったエビせんべいを持参したら、乳白色のようなオレンジのような、微妙な色あいを気に入って、「ほら、インスピレーションはこんなところからもやってくるの。今度は、作品にこんな色を使ってみようかしら」と陽気に笑っていた。

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キャンバス地の作品

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ヴァレリーのアトリエにて。陶器の作品

ジュネーブのギャラリーなどの個展で作品を発表しているほか、フランスの有名誌「エル・デコ」や「ヴォーグ」などでも、その仕事ぶりが紹介されている。国民議会のコーナーは小さいけれど、機会があればぜひのぞいてみて。

La Boutique de l’Assemblée Nationale

7 rue Aristide Briand, 75007 Paris
地下鉄 :⑫Assemblée Nationale
月~金 10 :00~19:00、土10:00~18:00

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